俺がお前を夢の舞台へ

使命と喧嘩

「勇翔、おはよ！」


まずは挨拶から。


それから徐々に距離を縮めていくことくらいしか方法がない。


「………」


無視か…。


なんとなく予想はしていたけど、やっぱりショックだ。


「お前、彩絢が挨拶してんだから無視すんなよ」


「…あ？」


あからさまにつっかかる蒼空と、それを鋭く睨み付ける勇翔。


蒼空からは確かな敵意が感じられる。


見たこともない嫌悪に満ちた表情。


可愛かったあの頃とは比べ物にならないピリピリした空気が辺りに漂う。


「今も昔も、お前だけは気に食わねぇ」


勇翔はそう言って私をチラリと見て、教室を出ていった。


「…“お前”って…私…？」


今、私を見て言ったよね…。


「違う。俺のことだろ。アイツはそういうヤツなんだよ。あぁ、朝から気分わりぃ」