俺がお前を夢の舞台へ
「……蒼空のこと、あんまり気にすんなよ。お前は悪くないんだから」


「…知ってたんだ」


まぁ…こんなに噂されてたら勇翔の耳にも届くよね…。


“結城くんと浮気してたらしいよ”

“結城くんも結城くんだよね”

“仲悪いからって、わざわざ彼女奪うのヤバくない?”

“絶対性格悪いよ”


クラスの女の子にそう言われいたのを聞いてしまった。


勇翔も聞こえていたに違いない。


「…ごめんね、迷惑かけて」


お前は悪くないって言ってくれるけど、本当に私が悪かった。


浮気のつもりじゃなかったけど、蒼空からすれば同じこと。


フラれて当然の女なんだ。


それなのに勇翔にも迷惑かけて…。


「ホント…ごめんね…っ」


鼻の奥がツンと痛む。


フラれて数日経つのに、やっぱり傷は癒えなくて、聞こえてくる悪口がこたえる。
< 232 / 434 >

この作品をシェア

pagetop