俺がお前を夢の舞台へ
気を遣ってくれてるのか、最近の茉優は底抜けに明るい。


“元気出しなって”

“フッたこと後悔させてあげなよ”

“彩絢なら蒼空くん以上にいい男いくらでも出会えるよ”


そう言って励ましてくれたっけ。


…茉優は私の情けなさを知らない。


噂されてるから知ってはいるんだろうけど、何も聞いてこない。


「…相談したいことがあるなら、遠慮なく言ってよ?私たち親友なんだから」


茉優はそう言ってから教室のドアを開けた。


ジロっと女子たちの視線が突き刺さる。


もともと、蒼空のことを好きな女子は多かった。


だからこそ、“勇翔と浮気した”私への敵意が積もり積もっているんだ。


視線に耐えられない。


今まで普通に挨拶してた子に無視されるのがツラい。
< 234 / 434 >

この作品をシェア

pagetop