俺がお前を夢の舞台へ
「…そっかそっか。それで浮気だって噂になったんだ」


茉優のいつもと変わらないトーンに安心する。


軽蔑されるかな…と思っていた。


「まっ、蒼空くんからしたら浮気されたと思うのも無理ないよ。蒼空くんは結城くんの家庭事情知らないんでしょ?」


ぽんぽんっと肩を叩いて寄り添ってくれる茉優の温かさに、じんわり目頭が熱くなる。 


「私は彩絢のこと、ひどい女だなんて思わない。きっと、“好き”が分かんなかっただけだよ。彩絢の“好き”は、恋愛感情としての好きじゃなかったんじゃない?」


「え…?」


恋愛感情じゃなかった…。
 

「人として好きだったんじゃないの?蒼空くんのことも、結城くんのことも」


人として…か…。


…そう言われてみればそうなのかもしれないけど…。
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