俺がお前を夢の舞台へ
「それに…毎日蒼空の球を受けてりゃ分かる。蒼空の中で何かが起こってる」


蒼空の中で何かが起こってる……。


いったい何が…?


どうして誰にも何も言わないの…?


“彩絢は知らなくていいことだから”


突然蘇った蒼空の冷たい言葉。


もしかして、それが何か関係あるの…?


「お前らサボってんじゃねぇよ」


やけに息切れした蒼空が近づいてくる。


「蒼空…大丈夫……?」


久々に私からかけた言葉は、睨まれただけで終わってしまった。


「時間がない。無駄話してる暇があるなら練習しろ」


いつもの蒼空じゃない…。


いつもの蒼空なら、こんな言い方で注意を与えたりはしない。


「…お前の話をしてたんだ。何か抱えてるんだろ?」


バッテリーらしく、尚輝くんはズバッと切り込む。
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