俺がお前を夢の舞台へ
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─桜森高校
「…すっご……」
目に入る何もかもが公立高校とは違う。
野球部専用の練習場に、人工芝のグラウンド。
規模も選手の数も、橘とは大きく違う。
まさか桜森が無名の公立高校と練習試合をしてくれるなんて思いもしなかった。
「さすが強豪って感じだな」
「だな」
心なしか、蒼空の雰囲気も明るい。
挨拶も徹底しているし、礼儀作法の格が違う。
まるで勝つチームと勝てないチームの差を見せつけられているようだった。
「お前ら、雰囲気に呑まれんなよ。いつも通りやれ」
試合前の円陣。
大柳先生が部員を鼓舞し、桜森との練習試合が始まった。
夏の甲子園に出るためには、必ず破らなければならない相手だ。
桜森のエースは菅野航太(かんのこうた)。