俺がお前を夢の舞台へ
ポーカーフェイスを保っているだけなのか、本当に何とも思っていないのか分からない表情で蒼空がマウンドに向かう。
試合開始からわずか5分。
あっという間に1回の裏が始まった。
蒼空がロジンを手につけ、ふぅっと息を吹くと、白い粉が舞う。
その手を帽子のツバにやり、帽子を被り直す。
昔から蒼空は、緊張しているときに帽子のツバを何度も触る癖がある。
「蒼空…」
蒼空の不調を見てきたから、今の蒼空は孤独に見える。
マウンドにひとりぼっち。
一人で戦っている気分だ、と漏らしたことがあった。
橘に入学してすぐに出た大会で、蒼空は1年生にしてエースナンバー「1」を付けて投げた。
ほとんど完璧と言えるピッチングだったにも関わらず、0-1で負けた。
試合開始からわずか5分。
あっという間に1回の裏が始まった。
蒼空がロジンを手につけ、ふぅっと息を吹くと、白い粉が舞う。
その手を帽子のツバにやり、帽子を被り直す。
昔から蒼空は、緊張しているときに帽子のツバを何度も触る癖がある。
「蒼空…」
蒼空の不調を見てきたから、今の蒼空は孤独に見える。
マウンドにひとりぼっち。
一人で戦っている気分だ、と漏らしたことがあった。
橘に入学してすぐに出た大会で、蒼空は1年生にしてエースナンバー「1」を付けて投げた。
ほとんど完璧と言えるピッチングだったにも関わらず、0-1で負けた。