俺がお前を夢の舞台へ
野手が誰も打たない、蒼空は敬遠される、おまけに野手のエラーが重なってサヨナラ負けを喫した。


そんな酷い試合が蒼空の高校初試合だった。


その試合終わりに、蒼空は“一人で戦っている気分だった”と呟いた。


あの時の、悔しそうで失望が見え隠れした表情が忘れられない。


今日の蒼空のピッチング…立ち上がりは完璧だ。


ピシャリと三者凡退に抑えて、蒼空がベンチに戻ってくる。


スコアブックに三振を意味するKが3つ並んでいる。


桜森の1~3番を三者凡退に抑えられる蒼空はやっぱりすごい。


あんなに調子が悪そうだったのに、しっかり合わせてくれるのは流石だ。


ただ…蒼空の淡々とした表情を見ると、納得はいってないんだとわかる。
< 249 / 434 >

この作品をシェア

pagetop