俺がお前を夢の舞台へ
話す度に心臓が痛む。


無理が祟ったな…。


夏までもつと思ったけど、さすがに無理だったか…。


もう…野球は無理だろう。


最後の投球が三者連続フォアボールか…。


だっせぇ…。


これからどうすっかな…。


どうしても橘を甲子園に。


俺は行けなくても、尚輝やタローは甲子園に行ってほしい。


平凡な公立高校で出会えた数少ない同志。


甲子園という夢を本気で追っていた仲間。


正直、今いるピッチャーじゃ予選を勝ち抜くのは厳しいだろう。


でも俺はもう投げない。


投げられない。


「……アイツに…頼るしかねぇか…」


何年も前から同じ夢を追っていた、最大のライバルに─…。
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