俺がお前を夢の舞台へ
蒼空があの約束を今も覚えているのかは分からない。


その場の流れでしたような約束だ。


固執しているのは私だけかもしれない。


「…分かんない。蒼空が何であんなに勇翔を嫌ってるのか…」


小学生のときは、嫌ってる感じじゃなかった。


文句は言い合ってるけど、なんだかんだでお互いを認めている様子だった。


それなのに…。


何でなんだろう…。


「彩絢さんの知らないところで、蒼空さんと結城さんに何かあったのかもしれないですね」


「そう…だね…」


本人に聞きたいけど、勇翔は口を利いてくれないし、蒼空の前で勇翔の話題は禁句。


これじゃ聞ける気がしない。


「それより、一つ気になったんですけど」


菜々子ちゃんが声をワントーン上げた時、グラウンドの真ん中で部員にボールが直撃した。
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