俺がお前を夢の舞台へ
「……野球がない生活…耐えらんねぇよ…っ。なんでお前は耐えれたんだよ。なんで、野球を辞めれたんだよ…っ」


…なんで耐えれた…。


なんで辞めれた……。


「…俺は…俺には…守りたい存在がいる」


友翔のためなら、自分を犠牲にしてもいいと思った。


「そいつのために辞めた。そりゃ、野球部を見る度に悔しくなって、野球になんか二度と関わるもんかって思ってた。でも、どれもこれも大切な奴のためだから。だから耐えられた」


今でも野球を見ると、苦い思いになるし、きっと未練もある。


認めたくないけど、全力で夢を追っている蒼空を羨ましいと思っていたこともある。


「…俺はやっぱりお前とは違う。俺は、大切な人のために夢を叶えたい。辞めることが大切な人のためになるとは思えない」
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