俺がお前を夢の舞台へ
「…お前が無理したって、彩絢は笑顔になれない。違うか?」


なるべく柔らかい言い方になるように努めたけど、蒼空がどう受け取ったかはわからない。


ただ、蒼空の涙は止まった気がした。


「彩絢のためにはさ、お前が元気になるしかねぇんだよ。彩絢は夢や約束なんかより、お前自身が大切なんだよ。そうだろ?」


再び身体の向きを変え、蒼空と目を合わせる。


蒼空の目は少し赤かった。


「…結局、お前が言ってたことの方が正しかったな」


「……どうだかな」


きっと、どっちも正しかったし、どっちも間違ってた。


夢だけを追った蒼空。


現実しか見なかった俺。


「……すんげぇ衝突したし、その度にウザいって思ってたけど、俺のなかでお前は唯一の戦友なんだなって思い出した」


急にトーンが変わった。


きっと、ここからが本題だ。
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