俺がお前を夢の舞台へ
なぎ倒されたトロフィーや、穴の空いた壁、そして滅多に泣かない男の涙。


吐き出された本音、あらゆるところに見え隠れする本音。


それらに触れたとき、蒼空への見方が一気に変わった。


綺麗事ばかり並べて、後先考えずに夢だけを追求するバカ。


そんな印象が変わった。


必死に生きて、必死に努力して、泥臭く頑張り続けた苦労人。


誰にも病気の事を言わず、病気を言い訳にせずに耐えてきたんだろう。


思うように動かないもどかしさや苦しさだって散々感じてきたに違いない。


それでも、今までやってきた。


簡単にできることじゃない。


だけど、そんな蒼空が限界だって立ち止まった。


夢を諦めきれないまま、夢を追うことさえ許されなくなって。
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