俺がお前を夢の舞台へ
俺は、いつかの蒼空が言ったように夢を捨てた。


簡単に諦めた。 


夢を追えない自分が嫌で、夢なんてなかったことにした。


自分の本当の気持ちに蓋をした。


本当は甲子園を目指したかったのに。


彩絢と蒼空との約束を果たしたかったのに。


すべてを忘れたフリをした。


そんな心の奥底にしまいこんだ夢を思い出させてくれたのは蒼空だった。


蒼空の魂の叫びが俺の夢を夢にした。


蒼空が命を懸けて叶えようとした夢を叶えてやりたい。


そう、思ったんだ。




「俺がお前を甲子園に連れていってやる」




いつまでも逃げ続けてたまるか。


蒼空は自分の運命と戦い抜いたんだ。


俺だってそれ相応の覚悟をしなければならない。
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