俺がお前を夢の舞台へ
「絶対、連れてってやるから。死ぬ気で練習して、お前より良いピッチャーにもバッターにもなってやっから」


蒼空のことも、彩絢のことも。


蒼空が抱え込んでいるすべての人を。


俺が甲子園へ連れていく。


コイツの夢を叶えてみせる。


「ホントか…?」


「…んな驚くなよ」


まじまじと顔を見つめられると、だんだん照れくさくなってくる。


「……ありがとな」


「…何が。夢叶えてから言えよ」


これから猛練習して、せめて蒼空レベルにまで持ってこないといけない。


小6で野球を辞めた俺にそんなことができるのかは分からない。


でも、豪語したからにはやるしかない。


「…まさかこんな日が来るなんてな」


「こっちのセリフだっての。まさかお前が俺に頭下げるなんて思ってもみなかった」
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