俺がお前を夢の舞台へ
「聞いてきなよ。今しかないよ」


茉優が私の背中を押す。


「でも…」


蒼空には避けられてるし…私に教えてくれるとは思えない。


話しかける勇気もない。


「後悔するかもよ。それでもいいの?」


後悔はしたくない…。


聞くなら今しかないよね…。


「ほら、行っておいで。ここで待ってるから」


「…うん、行ってくる」


ちゃんと話を聞くまで引き下がらない。


「蒼空!勇翔!」


意を決して声をかけに行くと、二人は驚いたように動きを止めた。


勝負に夢中でギャラリーがいたことすら気づいていなかったみたいだ。


ゴクリと唾を飲み込む。


「…勇翔が…蒼空の代わりにマウンドに立つってどういうこと?」


心臓がバクバクしている。


聞いちゃいけないことを聞いた気分で、蒼空の目を見れない。
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