俺がお前を夢の舞台へ
「ホントにごめんね…」


蒼空は、私を幸せにできないだなんて言うけど、そんな風に言ってもらえる権利は私にはない。


「こんな女に時間割いてくれてありがとね…。こんな女のために悩ませてごめんね…」


ひどい人間だったと思う。


蒼空と付き合っていながら、勇翔に気持ちが揺れた。


抱きしめられたとき、拒絶しなかった。


「もし完治したら、ヨリ戻してくれる?それとも、もう無理?」


予想外の質問だった。


蒼空の方から言ってくれるだなんて。


でも。


「…蒼空とも勇翔とも“幼なじみ”でいたい。ワガママでごめんね」


蒼空も勇翔も大切な存在で、どちらか一人を選ぶことなんてできない。


はじめからそうすべきだったのかもしれない。


「本当にごめんなさい」
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