俺がお前を夢の舞台へ

**

「…っ!」


夢か…。


嫌な夢に心臓がバクバクしている。


最近この手の夢をよく見る。


自分が死んだときの夢を。


目が覚める度に生きた心地がしなくて、死期が近いんじゃないかと怖くなる。


枕元の時計は午前4時を示している。


野球をしていた頃は毎朝この時間に起きていた。


軽く身体を動かして、ストレッチをして、好きな飯食って、朝練に行って。


授業を受けて、好きな飯食って、部活に行って、帰って、すぐに彩絢ん家で練習して、帰って、筋トレして、飯食って、風呂に入って、ストレッチをして、寝て。


また朝4時に起きて。


当たり前のように続くと思っていた。


それがこんな風に死に怯える人生になるなんて誰が想像できただろう。
< 303 / 434 >

この作品をシェア

pagetop