俺がお前を夢の舞台へ
でも、練習を辞めることなんてできなかった。


エースの座から降りることも、バッターボックスから逃げることもできなかった。


俺がやるしかない。


俺がやらないと甲子園には行けない。


夢は叶わない。


俺がやらないと。


俺がどうにかしないと。


そう思って自分を追い込んでも、どれだけ練習を積んでも、状態は落ちていく。


急速な衰えを感じてショックだった。


でも、誰にも言えなくて、無理に頑張って。


それがまた不調を生んで調子を落として。


最悪な悪循環で苦しかった。


相談相手が欲しくて、でも誰にも言えなくて。


そもそも病人が野球をやるなって話で。


端から見たら命懸けで野球をやっている俺は“おかしな奴”で。
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