俺がお前を夢の舞台へ
道具に八つ当たりしてしまう自分が嫌だった。


けど、自分で決めた道。


諦めたくなかった。


どんなに苦しくても、夢は叶える。


俺は甲子園に行く。


その想いだけはどんな状態でも変わらなかった。


むしろ、苦しくなる度に強くなっていった。


どうしても甲子園に行きたい。


理解されなくたっていい。


それが俺の夢だから。


………夢を叶えたかった。


叶えたかったな…。


「蒼空の夢、ちゃんと叶えるからね」


…違う。


そうじゃない…っ。


俺自身で夢を叶えたかった。


もう無理なことは重々に分かっている。


それでも諦めきれなくて。


動かない身体が憎くて。


……限界だ。


体も、心も本当はもうとっくに限界なんだ。


「蒼空も見ててね。勇翔が…皆が、夢を叶えるところ。見ててね…?」


「……もちろん。そのつもり」


…わからない。


俺に、そんな日が来るのか分からない。


口ではいつも通りを装っているけど、本当は怖い。


怖くて怖くてたまんねぇよ……。
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