俺がお前を夢の舞台へ
1ページ1ページ、一文字も読み落とさないよう熟読していく。
【自信持って投げたフォークを上手く打たれてショックだった】
【初めてチェンジアップ試したけど俺には向いてなさそうだったからやめた】
たまにそんな一言コメントがついていて、蒼空のニコニコした笑顔が浮かぶ。
本当に野球が大好きで、手に入れると決めたものは絶対に諦めない頑固さを持っていた蒼空。
そんな蒼空らしさが詰まったノートだった。
「…もう終わりか……」
気がつけば読み始めて一時間が経っていた。
【橘の野手は他のどこよりも頼れる野手。三振に仕留めなくても大丈夫。そう気づいてから気が楽になった】
最後の文章にはそう書いてあった。
【野球部全体で戦い抜く。甲子園まで突っ走る!】
その1文を最後に、蒼空のノートは終わっていた。
蒼空の決意、自信、信頼。
仲間を信じる強い思いをヒシヒシと感じる。