俺がお前を夢の舞台へ



「予選のメンバーを発表する」


その日のミーティング。


緊張の瞬間がやってきた。


日が落ちてもまだまだ暑い夏。


この夏がいつまで続くのかは今から発表されるメンバーにかかっている。


手に持った18枚の背番号が重たい。


「背番号1番」


大柳先生がメモを読み上げる。


その場に緊張が走り、全員の視線が勇翔に注がれた。


「勇翔」


今まで、背番号1すなわちエースの座は蒼空以外の誰も背負うことはなかった。


「藤野のところへ背番号を取りに行け」


1番上にある「1」


他のどれよりも重たくて、輝いている「1」


そのエースナンバーが勇翔に渡ろうとしている。
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