俺がお前を夢の舞台へ
ベッドに横たわる蒼空は、穏やかな表情を浮かべていた。


ベッドに付いているミニテーブルには“1”の背番号が置いてある。


「勇翔から聞いた。彩絢すんげー頑張ってんだって?」


「え…?」


勇翔の方に視線を移すと、勇翔は涼しい顔で椅子に座っている。


私が来るまでにどんな会話をしていたんだろう。


「しんどいのに笑顔で頑張ってくれてるから、部員の士気がより高まってるってさ」


「勇翔がそう言ったの?」


あまり人を褒めない勇翔が…?


「うん。なぁ?勇翔」


「余計なことを言うなよ」


勇翔は顔をしかめてそっぽを向く。


「照れてんの?」


「あ?そんなんじゃねぇよ」


鋭くガンを飛ばしてるけど、前のような険悪な雰囲気はない。


野球が二人を変えたんだ。


二人を繋ぎ止めたんだ。
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