俺がお前を夢の舞台へ
「ふふっ」


「何が面白いんだよ」


「またこうやって3人でくだらない話ができるのが嬉しいの」


ずっとずっと待ち望んでた。


皮肉にも、そのきっかけは蒼空の病気だった。


だけど、それでも嬉しい。


蒼空と勇翔は、きまり悪そうに顔を見合わせている。


お互い“コイツが悪いんだ”と言いたげな顔をしてるのがこの二人らしい。


「私ね、3人で思い出話したいなってずっと思ってたんだ」


個人個人で話をすることはあっても、3人で話をすることはなかった。


でも今ならもう3人でも大丈夫だ。


「思い出話ねー。俺が1番覚えてるのは、監督と勇翔がお互いにブチギレてた事件かなー」


蒼空がイタズラっ子な顔で話に乗ってくれた。


「んなの忘れろよな」


勇翔はいつものように仏頂面だけど、心なら嫌がってるわけではなさそうだ。
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