俺がお前を夢の舞台へ
関係性の進歩になんだか心がポカポカする。


最近では忘れかけていた和やかな気持ちだ。


「後にも先にも、監督があそこまでブチギレたのはアレだけだったな」


「お父さんなんでそんなに怒ったの?」


私の記憶にはない二人の思い出。


温厚なお父さんがブチギレるなんて、よっぽどのことがないとありえない。


「そもそも、昔のコイツ全然練習しなかったじゃん。それで怒られて不貞腐れてたって前置きがあって」


蒼空がニヤニヤしながら話始めると、勇翔は諦めたように続きを語った。


「俺には必要のない練習をさせんなって監督にムカついてたから、その週の練習試合でワザと負けてやろうと思ったわけ。……んで、相手チームに作戦とかサインを全部教えて、球も法則持たせて投げた」


うわー…。


それは怒る。


「やってることがクソガキ超えてるだろ」


「うん。ヤバいね」
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