俺がお前を夢の舞台へ
勇翔がそこまで悪ガキだったとは。


「でも、それで何で勇翔がブチギレたの?勇翔が100%悪いじゃん」


「俺に指図すんなっつって逆ギレ。本気で頭おかしいんじゃねーかって思ったなーあの時」


ケラケラと蒼空が笑う。


どおりでお父さんが手を焼くわけだ。


「シンプルにやべぇ奴だよお前は」


「うるせーな。お前だって監督に逆ギレしてたことあるだろ」


「お前のとはレベルがちげーよ」


「蒼空も逆ギレエピソードあるの?聞きたいっ」


「あぁ、コイツのサインミスで―」


「しーっ!言うなよ」


「あ?俺の話はベラベラしたくせに自分が懲罰交代に逆ギレした話はすんなって?」 


「えっ、そんなことあったの?」


「おん」


「てめっ言うなっつったろ」


アハハハっ!


病室に笑い声が響く。


いつぶりだろうこんなに楽しく笑えたのは。


今、すごく楽しい。


いつまでもこの時間が続けばいいのに。


そう願わずにはいられなかった。
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