俺がお前を夢の舞台へ
続く2回戦、3回戦…と勝ち進み、準決勝の舞台を迎えた。


勇翔の知名度は瞬く間に上がり“橘の救世主”と称されるようになった。


橘の優勝を期待する声も大きくなり、地元紙が盛り上がっている。


そんな中でマウンドに立つ勇翔はスゴイの一言に尽きる。


蒼空の言う通り勇翔の神経は図太いのか、注目されても調子が落ちることはない。


それどころか、メキメキ球にキレ味が出てきたように思える。


「しゃーーっす!」


挨拶を済ませたナインがベンチに戻って来、打席に立つ準備をする。


今日は表の攻撃。


相手は去年の夏、決勝に進み桜森に負けた高校だ。


強力な打線で、今大会は全試合二桁得点を奪っている。


打撃戦になることが予想される分、勇翔にかかるプレッシャーは大きい。
< 367 / 434 >

この作品をシェア

pagetop