俺がお前を夢の舞台へ
いつにも増して引き締まった表情で勇翔がマウンドに立つ。
帽子を被り直し、ロジンを手につける。
ふぅーっと息を吐きかけると、指先から白い粉が舞う。
勇翔の一挙一動から目が離せない。
相手は7番から。
奇しくも9回表の私たちと同じ巡り合わせだ。
1番には回さず9番で切りたい。
「頑張って…皆…」
蒼空から勇翔へと渡されたエースのバトン。
決勝へ。
そして、甲子園へ。
勇翔が第一球を投げた。
第一球はストライク。
打者の反応的に際どいコースに決まったようだ。
ストライクを1つとっただけで、橘側のスタンドが大きく波打つ。
しかし。
「あっ…」
2球目が甘く入ったのがベンチからでも分かった。
帽子を被り直し、ロジンを手につける。
ふぅーっと息を吐きかけると、指先から白い粉が舞う。
勇翔の一挙一動から目が離せない。
相手は7番から。
奇しくも9回表の私たちと同じ巡り合わせだ。
1番には回さず9番で切りたい。
「頑張って…皆…」
蒼空から勇翔へと渡されたエースのバトン。
決勝へ。
そして、甲子園へ。
勇翔が第一球を投げた。
第一球はストライク。
打者の反応的に際どいコースに決まったようだ。
ストライクを1つとっただけで、橘側のスタンドが大きく波打つ。
しかし。
「あっ…」
2球目が甘く入ったのがベンチからでも分かった。