俺がお前を夢の舞台へ
試合を見ていると本当にそう思うことが多々ある。


特にこの緊迫した場面ではそう。


大丈夫だよね…?


信じてるよ…勇翔…。


蒼空を甲子園に連れてって…。


「お願い勇翔…」


一呼吸置いた勇翔が投球を続ける。


ボール、ボール、ファール、ファール、ボール、ファール、ファール、ファール、ファール、ファール。


8番打者相手に粘られ続け、ただでさえ多い球数がかさむばかり。


雲で太陽が隠れているのが唯一の救いだ。


そして。


「ストライクッ!!」


11球目にしてようやく三振をとることができた。


腕で額の汗を拭い、鋭い眼光を打席に向ける勇翔からは、燃え盛る闘志を感じる。


絶対に勝ちは譲らない。


その想いの強さは誰にも負けない。
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