俺がお前を夢の舞台へ
「どんなメンタルしてんだよ…」


度胸がありすぎる。


それに尚輝だって、よくあの球を受け入れたよ。


練習でもほとんど投げてない、上手くいかない球を。


怖いもの知らずというか…ただのバカというか…。


普通に考えればあり得ない選択だった。


でも、アイツは…勇翔は…それを選んだ。


俺だって…勇気を出さないといけない。


アイツにできたんだから。


「…母さん。話があるんだけど」


俺は…このままじゃ終われない。


完治させて、また野球を続ける。


その勇気をくれたのは勇翔だった。


アイツが俺のぶんのプレッシャーや責任を背負ってマウンドに立ってくれた。


勇気ある投球を見せてくれた。


俺は…たとえ成功確率が30%しかなくても、70%の確率で命が危ない手術でも、受けたい。


逃げるだけの人生を送りたくないんだ。
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