俺がお前を夢の舞台へ
「…言いたいことがあるならハッキリ言えよ」


蒼空は投球をやめて私の隣に腰掛けた。


言い方はぶっきらぼうだけど、表情や雰囲気からは優しさを感じる。


“言ってみ?”と覗き込まれ、不意にドキッとしてしまった。


「…何?恥ずかしいことなわけ?」


顔が赤くなったのか、蒼空は不思議そうに私を見つめてくる。


「……じゃなくて。ちょっとドキッとしただけ」


「なんでだよ」


ハハッと笑って、私の頭をポンッと撫でてる。


自然なその仕草にまたドキンッと心臓が跳ねる。


「ヴヴンッ」


背後から聞こえてきた盛大な咳払いに一気に現実に連れ戻される。


「あ、監督!お邪魔してまーす」
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