俺がお前を夢の舞台へ
練習が始まりしばらくすると、勇翔が神妙な面持ちで私に近づいてきた。
「どうしたの…?」
右肩を抑えているその仕草に、嫌な予感が膨らむ。
「氷ある?」
「氷は保健室だけど…大丈夫…?」
決勝戦は明日。
今怪我したんじゃ明日は……。
「大丈夫。どうってことない」
「……嘘でしょ、それ」
「…嘘じゃねーよ。これぐらい大したことない。明日一日くらいなら投げれる」
目も合わさずにそそくさと保健室へ歩みを向ける。
「あ…待って、私も付き添う」
勇翔の後を追い、一緒に保健室へ向かう。
「…肩以外も痛むの?」
しきりに肘を気にしている気がする。
それに手のひらも…。
「別に。…んなことより、話があるんだけど」