俺がお前を夢の舞台へ
『彩絢も”こうしえん”行きたーいっ』
『彩絢、残念だけど女の子は行けないんだよ』
『どうして?』
『うーん…。今は男の子しか甲子園には─』
『俺が連れてってやるよ』
『は?俺だし。彩絢を甲子園に連れてくのは俺って決まってんだよっ。勇翔は引っ込んでろ』
『はー?お前には負けねーよ?彩絢の夢は俺が叶えんの』
『コラコラ。勇翔、蒼空、よく聞きなさい。野球は一人でするものじゃない。チーム皆でするんだ。そうだろ?だから、二人で協力して甲子園に行くんだ』
『……ふーん。まっ、そーゆーことにしてやってもいいぜ』
『なら約束しろよ。抜け駆けしないって。勇翔は絶対抜け駆けする』
『するわけねーだろ。しょーがねーから約束してやる。俺ら二人で彩絢を甲子園に連れていく。それでいいだろ?』
『絶対だかんな。彩絢も約束な』
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