俺がお前を夢の舞台へ
お父さんに見られるなんて最悪だ…。


蒼空はなんでそんなに平然としてるんだ。


「勇翔が戻って来たんだって?」


ビールを片手に蒼空の隣に座り、私が気を遣って避けてきた話題を簡単に口にする。


空気が読めないのか、それとも読まないのか。


きっと後者だろう。


お父さんが名監督と言われる所以だ。


采配も上手いけど、選手の心の隙間に入ってくるのが上手い。


正直、顧問がお父さんならいいのにと何度も思ったことがあるくらいだ。


「なんで急に引っ越して、急に戻ってきたんだろうなぁ」


「……。知りませんよそんなこと」


蒼空の顔がひきつっている。


「しかも、ヤンキーみたいな見た目してるらしいじゃん。なんでなんだろうなぁ」


お父さんは構わず続ける。
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