俺がお前を夢の舞台へ

夢舞台への切符を賭けて

リリリリリッ―


いつもは2度3度鳴らす目覚ましも、今朝は1度だけ。


昨日は一日中蒼空と一緒にいて、懐かしい話や将来の夢の話をした。


その間はすごく楽しかったけど、でも、どんな話をしていても“今日が最後かもしれない”という予感が付き纏っていた。


心の奥底にしまい込んだはずなのに。


そんな弱気な考え、捨てなきゃいけないのに。


怖い。


怖くて震える。


真夏なのに震えが止まらない。


「ひどい顔…」


鏡に映る自分を見て嫌な気持ちになる。


あまりに暗くて。


でも…笑顔が作れない。


蒼空に何かあったら。


そう考えてしまって、もう笑えない…。


“俺も頑張るから彩絢も頑張れよ”


蒼空の声が聞こえてきた気がした。


頑張ろう…。


蒼空の夢のために。


私がしっかりしなきゃ…。


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