俺がお前を夢の舞台へ
新たに
「勇翔、本当にお疲れ様。ありがとう」
球場から直接病院へ向かう道中。
心からの感謝を述べる。
勇翔がいなかったら掴めなかった夢。
一度は蒼空が諦め散った夢が、叶ったんだ。
「彩絢のおかげだよ」
「私…?」
「今日の試合は、彩絢のために頑張った」
私のため…?
「蒼空の手術でツラい思いしてんだなってことはすぐにわかった。だから、せめて試合中だけは忘れさせてやりたくて、いい試合作ろうって、頑張れた」
勇翔……。
「まっ、そのくせゲッツー打つわ、ホームラン打たれるわ、散々な内容だったけど」
ハハっと笑い飛ばす勇翔は、一段とカッコよく見えた。
プレッシャーを跳ね除け、蒼空との約束を守ってくれた。
それだけじゃなくて、私のことも考えてくれていたなんて…。