俺がお前を夢の舞台へ
「ありがとう…っ」


すごく嬉しい。


転校してきた頃は野球も私のことも嫌いだという態度だった勇翔が、野球を通して私を励まそうとしてくれていたなんて。


「私…ホームラン打たれたとき、もうダメだって思っちゃった。ごめんね…」


「んなの、誰でもそう思うだろ。気にすることねーよ」


これからはどんなときでも勇翔を信じる。


もう疑わない。


これからまだまだ続く夏を、勇翔一緒に戦うんだ。


そのとき、蒼空も一緒にいてくれるかな…。


いてくれるよね…?


「……蒼空は大丈夫だ」


まるで私の心を読んだような発言。


いつも心を見透かされている気がする。


「…信じるね。勇翔のことも、蒼空のことも」
< 429 / 434 >

この作品をシェア

pagetop