俺がお前を夢の舞台へ

✴✴

何度も来た501号室。


もう手術は終わっているはず。


ノックしたいけど、もし返ってこなかったら…と考えると怖くてできない。


私はそんな風に躊躇っているというのに、勇翔はなんの躊躇いもなくドアをスライドさせた。


「ちょっと…!」


まだ心の準備が―。


「相変わらずデリカシーがないヤツだな。これでも術後なんだけど」


っ!!!


「蒼空…!!」


蒼空がいる。


ベッドに横になってるけど、蒼空がちゃんとここにいる。


「よかった…!よかったよぉ…っ」


ポロポロと涙がこぼれて、布団の上にシミを作る。


「泣くなよ…」


「ごめん…」


もう二度と会えなかったらどうしようって怖かった。


無事でいてくれて本当によかった…っ。
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