俺がお前を夢の舞台へ
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何度も来た501号室。
もう手術は終わっているはず。
ノックしたいけど、もし返ってこなかったら…と考えると怖くてできない。
私はそんな風に躊躇っているというのに、勇翔はなんの躊躇いもなくドアをスライドさせた。
「ちょっと…!」
まだ心の準備が―。
「相変わらずデリカシーがないヤツだな。これでも術後なんだけど」
っ!!!
「蒼空…!!」
蒼空がいる。
ベッドに横になってるけど、蒼空がちゃんとここにいる。
「よかった…!よかったよぉ…っ」
ポロポロと涙がこぼれて、布団の上にシミを作る。
「泣くなよ…」
「ごめん…」
もう二度と会えなかったらどうしようって怖かった。
無事でいてくれて本当によかった…っ。