俺がお前を夢の舞台へ
「ねぇ蒼空」


「ん?」


「甲子園の舞台で、一球でもいいから投げれない…?」


蒼空と勇翔を同時に見たい。


久しぶりに、一緒に試合をしているところを。


「蒼空と勇翔が揃ったら無敵だよ」


「…身体と相談かな。でもま、大柳先生が許可してくれるんなら投げたい」


「ホント…!?」


もしそれが叶ったら…どんな素敵な舞台になるだろう。


「でも、そんな簡単な話じゃないからさ。ブランクがあるのに大舞台で投げれるとは限らないし」


「は?何言ってんの?何年もブランクがある俺を大舞台で投げさせたのは誰だよ」



「それはまぁ…そうだけど」


勇翔が歯切れが悪い蒼空の背中を押す。


「甲子園に向けて準備しとけよ。命懸けで目指した舞台なんだろ」


勇翔と蒼空の間には強い絆がある。


それが垣間見えるやり取りだった。


「…そうだな」


フッとはにかむ蒼空の瞳には、新たな闘志がみなぎっていた。


それは私の大好きな瞳だった



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