俺がお前を夢の舞台へ
「字…綺麗だね。頭もいいんだね…」


自分の白紙の答案用紙が恥ずかしくなってくる。


「……彩絢が汚いだけ」


「…っ!」


勇翔の口から当たり前のように飛び出した“彩絢”。


そして、昔のようなイジリ。


ダメだ…。


泣きそう……。


「勇翔のバカ…っ」


散々無視しといて、急にいつもの調子で話さないでよ…っ。


「……泣くなよ。お前に泣かれると困るんだよ」


「だって……」


嬉しいんだもん。


勇翔がきちんと会話してくれて、目を見て話してくれて。


「…お前が泣いたとき、助けるのはもう俺の役割じゃない」


勇翔が目の前の背中を見つめながら言った。


すごくすごく突き放すような冷たい言い方で、瞬く間に涙が引っ込む。
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