俺がお前を夢の舞台へ
「……野球部に俺を引き入れたいんだろ」


急に核心に迫ったボールを投げられて面食らう。


「俺、もう野球はやんねーよ?」


蒼空の机に掛かっているバットを見下ろして言う。


鈍器で頭を殴られたような衝撃だった。


野球命だった勇翔からは考えられない冷めた口調だった。


休憩なんてロクにせず、常にボールに触れていた勇翔。


そしてそれに対抗していた蒼空。


あの光景はそう簡単に忘れられない。


「勇翔は…野球を辞められる性格じゃないでしょ…?」


いい加減休憩しろ!と怒られていた勇翔が野球をやらないなんて考えられない。


引っ越した先でも野球をやっているものだと信じていた。


「あんな約束までしたのに、どうしてやめちゃうの…?あの約束は何だったの…?」
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