俺がお前を夢の舞台へ
蒼空の目は苛立っている。


怒らせちゃったな…。


後悔しても遅かった。


キーンコーンカーンコーン…


最悪のタイミングで始業のチャイムが鳴り、同時に勇翔も教室に入ってきた。


蒼空は前を向き、謝るタイミングを失くしてしまった。


後味の悪い空気が場に漂っている。


「……もう…」


なんで蒼空に食ってかかっちゃったんだろ。


勧誘が上手くいかなくて、どうしていいのかもわからなくて、その苛立ちを蒼空に向けてしまった。


「前回予告した通り、今日は四人一班になって授業を進めます」


よりによってこんなタイミングで班活動だなんて。


席が前後の私たちは必然的に同じ班。


私、茉優、蒼空、勇翔。


なんてメンバーなんだろう。
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