俺がお前を夢の舞台へ
「小学生じゃあるまいし、今さら班活動とかありえねぇ」


今回ばかりは勇翔に同意見だ。


渋々机の向きを変えると、勇翔は私の正面に、その勇翔の隣には蒼空が座ることになる。


蒼空と目が合ってしまい、反射的に目を反らしてしまった。


他の班の人は楽しそうに机を寄せているのに、私たちだけお通夜状態。


「結城くんと話すのは初めてだよね。私、藤井茉優。よろしくね」


茉優が気を遣って沈黙を破ってくれたけど、重苦しい空気は変わらなかった。


この空気…一番の被害者は茉優だよね…。


居心地悪そうに何度も座り直している茉優を見て申し訳なく思うけど、私にもどうしようもない。


蒼空は眉間にシワを寄せてムスっとしているし、勇翔は腕を組んでこの空間を睨み付けている。


お互い体を外に向けているのが、今の関係性を象徴している。
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