俺がお前を夢の舞台へ
授業が終わると同時に、私は教室を飛び出して校内を走り回る。
もちろん、勇翔を探すためだ。
勇翔には、さっきの発言の真意を聞かなきゃならない。
─ギィィ…
立て付けの悪い鉄扉を開ける。
弱々しい陽が射すベンチに寝転がっている人影。
「よくここが分かったな」
「ヤンキーがサボる場所は屋上って決まってるからね」
「なんだそれ」
勇翔は体を起こし、私が座れる空間を空けてくれた。
「…ねぇ勇─」
かと思えば、スクっと立ち上がって出口へ向かう。
「ちょっと待って!」
「……なんだよ」
あからさまに嫌そうな表情を向けられ、心が折れそうになる。
「……なんで…」