俺がお前を夢の舞台へ


その日、勇翔は学校に来なかった。


部員に配ってもまだ余りがあるから、それを渡そうかななんて考えていた。


だけど、会えなくてよかったよかもしれない。


なんとなく、これ以上勇翔と距離を縮めると蒼空が離れていってしまう気がしていた。


「一人で帰るの久しぶりだなぁ…」


蒼空は尚輝くんと自主練するから今日の帰りは一人だ。


「せっかくだし寄り道して帰ろうかな」


蒼空と一緒だと寄り道はできない。


すぐに家に帰りご飯を食べ、急いで我が家に練習しに来るから。


友だちとショッピングするのも好きだけど、一人で出掛けるのも好きだったりする。


方向転換して、わくわくしながら大通りに向かう。
< 77 / 434 >

この作品をシェア

pagetop