俺がお前を夢の舞台へ
バレンタインということもあり、イルミネーションの下を歩いているのはカップルばかりだ。


手を繋いで歩いてる人、腕を組ながら笑い合ってる人。


いろんな人がいる。


交差点を渡ればショッピングモール。


その横断歩道で立ち止まったとき。


向こう側に勇翔の姿が見えたんだ。


思わぬところでの遭遇にドクンッと心臓が脈打つ。


そんなに長くない横断歩道だ。


手を振ったら気づいてもらえるかもしれない。


無視されるかもしれないという思いを打ち消し、手を振ろうとしたときだった。


「勇翔~!!」


私の隣に立ち止まった女性が両手を振る。


勇翔はその声に反応して手を振り返す。


かき上げヘアのスレンダー美女。


誰もが羨むスタイルと顔。


隣に立つのが嫌になるほどだ。
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