俺がお前を夢の舞台へ
行き場をなくした右手を隠すそうに下ろし、信号が青になるのをひたすら待つ。


この女性は…勇翔の彼女なんだろうか。


バレンタインに会うってことはそういうことだよね…。


勇翔はこういう女性がタイプだったんだ。


芋くさい私とは正反対だ。


「…やっぱり帰ろ」


出掛ける気分じゃなくなった。


勇翔に彼女がいることも、私とは正反対の女性だったことも、ショックだった。


なんでショックなのかは分からない。


別に勇翔に彼女がいようとどうでもいいことのはずなのに、強く“イヤだ”と思ってしまったんだ。
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