俺がお前を夢の舞台へ
何もかも順調で、中学生になってもこのまま活躍し続けるんだろう。


そう思っていた矢先。


勇翔は誰にも行き先を告げず、引っ越していった。


私の中で、勇翔と蒼空はニコイチだった。


とても仲が良いとは言えない絶妙な距離感だったけど、蒼空と勇翔は二人で一つだった。


だからこそ、大きな大きな虚無感が残ってしまったんだ。


ずっとずっと寂しかった。


野球部の練習を見に行っても、グラウンドにあの悪ガキはいない。


すっかり真面目になっま蒼空だけが投球練習に励んでいる。


試合でも、投げるのも打つのも蒼空だけ。


なんで蒼空が4番なんだと抗議していた勇翔の姿はなかった。


だけど、そんな寂しさにもいつしか慣れ…。
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