私の居場所はこの腕の中【優秀作品】
「えっ、マジ!?」
急激に冷え込んだ12月の金曜日。
取引先の情報管理室で作業をしていると、そこの社員の浅野さんがスマホの画面を見て声を上げた。
「どうしました?」
私の隣で作業をしていた桜庭さんが、にこやかに尋ねる。
桜庭さんは、私の指導係。
私たちは、この会社のシステム開発を担当するSEで、ずっと出向状態でここに通っている。
「いや、今夜、合コンって言ってたじゃないですか? その女子の幹事から、1人行けなくなったって、連絡が来たんですよ」
浅野さんは、恨めしそうにスマホを眺める。
「先週から楽しみにしてた合コン、今日でしたか。でも、1人くらい人数が合わなくても、大丈夫でしょ?」
桜庭さんはそう言うけれど……
「大丈夫ですけど、やっぱり女の子は1人でも多い方がいいじゃないですか」
と残念そう。
私はその様子を他人事として微笑ましく眺めていた。
急激に冷え込んだ12月の金曜日。
取引先の情報管理室で作業をしていると、そこの社員の浅野さんがスマホの画面を見て声を上げた。
「どうしました?」
私の隣で作業をしていた桜庭さんが、にこやかに尋ねる。
桜庭さんは、私の指導係。
私たちは、この会社のシステム開発を担当するSEで、ずっと出向状態でここに通っている。
「いや、今夜、合コンって言ってたじゃないですか? その女子の幹事から、1人行けなくなったって、連絡が来たんですよ」
浅野さんは、恨めしそうにスマホを眺める。
「先週から楽しみにしてた合コン、今日でしたか。でも、1人くらい人数が合わなくても、大丈夫でしょ?」
桜庭さんはそう言うけれど……
「大丈夫ですけど、やっぱり女の子は1人でも多い方がいいじゃないですか」
と残念そう。
私はその様子を他人事として微笑ましく眺めていた。