私の居場所はこの腕の中【優秀作品】
◇ ◇ ◇
私は、昔から人見知りで人と話すことが苦手だった。
だから、高校生の頃、人と話さなくても大丈夫そうな職業をと考えて、情報処理学科への進学を決めた。
あがり症で話し下手な私は、就職の面接では苦戦したものの、なんとか今の会社にSEとして採用され、現在に至る。
「佐々木 未来です。よろしくお願いします」
「桜庭 春哉です。入社6年目。今回初めてOJTするから、うまく教えられるかどうか分かんないけど、よろしくね」
私とOJTの桜庭さんとの出会いはそんなありきたりな自己紹介から始まった。
桜庭さんは、たいして役にも立たない大学の知識しか持たない私に、一つ一つ優しく丁寧に教えてくれた。
ただ、誤算だったのは、SEはただパソコンに向かっていればいいものではないということ。
配属されて半年もしないうちに、桜庭さんは、いろんな取引先へと私を連れ出すようになった。
取引先での作業は、当然、そこで初めて会う人と会話をしなければいけない。
しかも、ほとんどの場合、システムの担当者は男性。
苦手だから…と言って済まされるのは学生の間だけ。
私は緊張しながらも、人と話すことに少しずつ慣れていった。
もちろん、桜庭さんはフォローしてくれるし、仕事の話はほとんど桜庭さんがしてくれる。
それでも、私に話を振られることは、少なからずあって……
「佐々木さん、下の名前なんて読むの? みらいちゃん? みくちゃん?」
「みくちゃん、彼氏いるの?」
「佐々木さん、何歳?」
そんな質問は日常茶飯事だった。
そんな生活をして2年。
人見知りの私も、人並みに会話できるようになったし、緊張もしなくなってきた。
私は、昔から人見知りで人と話すことが苦手だった。
だから、高校生の頃、人と話さなくても大丈夫そうな職業をと考えて、情報処理学科への進学を決めた。
あがり症で話し下手な私は、就職の面接では苦戦したものの、なんとか今の会社にSEとして採用され、現在に至る。
「佐々木 未来です。よろしくお願いします」
「桜庭 春哉です。入社6年目。今回初めてOJTするから、うまく教えられるかどうか分かんないけど、よろしくね」
私とOJTの桜庭さんとの出会いはそんなありきたりな自己紹介から始まった。
桜庭さんは、たいして役にも立たない大学の知識しか持たない私に、一つ一つ優しく丁寧に教えてくれた。
ただ、誤算だったのは、SEはただパソコンに向かっていればいいものではないということ。
配属されて半年もしないうちに、桜庭さんは、いろんな取引先へと私を連れ出すようになった。
取引先での作業は、当然、そこで初めて会う人と会話をしなければいけない。
しかも、ほとんどの場合、システムの担当者は男性。
苦手だから…と言って済まされるのは学生の間だけ。
私は緊張しながらも、人と話すことに少しずつ慣れていった。
もちろん、桜庭さんはフォローしてくれるし、仕事の話はほとんど桜庭さんがしてくれる。
それでも、私に話を振られることは、少なからずあって……
「佐々木さん、下の名前なんて読むの? みらいちゃん? みくちゃん?」
「みくちゃん、彼氏いるの?」
「佐々木さん、何歳?」
そんな質問は日常茶飯事だった。
そんな生活をして2年。
人見知りの私も、人並みに会話できるようになったし、緊張もしなくなってきた。